第59回臨床呼吸機能講習会の開催にあたって

第59回臨床呼吸機能講習会 会長
京都大学大学院医学研究科
 呼吸管理睡眠制御学講座 特定教授 陳 和夫

 この度、第59回臨床呼吸機能講習会を8月21日(水)から23日(金)の3日間の日程で、ウェスティン都ホテル京都で開催させて頂くことになりました。この臨床呼吸機能講習会は、日本呼吸器学会学術講演会と回数を同じくする約60年の長い歴史があり、日本の呼吸器病学の向上と発展に寄与してきた伝統ある講習会です。
 この臨床呼吸機能講習会の受講は、日本呼吸器学会の専門医試験を受験する場合に必須となります。3コースのいずれのコースの受講でも構いません。
 さて、各コースを簡単に紹介しますと、1)呼吸機能の理解を深め臨床に役立てる事を目的とした「臨床呼吸機能基礎コース(主任:小川浩正先生、仲村秀俊先生)」、2)呼吸機能に画像・病理を加えた「臨床呼吸機能応用コース(CRP呼吸機能コース):Clinical-Radiological-Pathologicalコース(主任:小倉高志先生)」、3)急性から慢性期の呼吸管理の実践と理解を深める「呼吸管理実践コース(主任:富井啓介先生)」の3コースです。
 初学者や呼吸機能の理解を深めたい先生方には基礎コースを、呼吸器病学をある程度学んだ先生方には応用コースを、そして臨床呼吸機能を基盤とする呼吸管理を中心に勉強したい先生方には呼吸管理実践コースをお勧めしています。基礎コースと応用コースでは症例の肺機能を中心に受講生も加わって討議、理解していくベッドサイドフィジオロジーが、実践コースでは少人数で講師と受講生が対話しながら行う実践的な実習が好評です。基礎コースは日常の臨床現場で患者の病態生理の理解に直接結びつく肺機能の講義と実習から成り立っています。応用コースは基礎コースを踏まえた応用でなく、呼吸器内科医と放射線科医と病理医が呼吸機能を念頭に連携して講義をしていきます。従って、基礎コースを受講していなくても大丈夫なように随所に呼吸機能の講義を配慮しています。実践コースは、経皮電極、ハイフロー、ECMO、急性心不全の呼吸管理など、新しい呼吸管理の流れも理解できます。また、専門医受験とは関連せずに2年前から始まった初期臨床研修医コース(主任:金子猛先生)は「呼吸器内科に興味のある初期研修医対象」に大変好評です。
 本講習会を通じ、受講生の皆様が幅広い呼吸器病学の本質と面白さに触れて頂ければと思います。本講習会は、多くの素晴らしい講師の先生方、共催企業、および日本呼吸器学会の事務局の皆様に支えられて実現しています。この場をお借りして皆様に心から感謝いたします。
 朝から夕方までしっかりと臨床呼吸機能を学んだ後は、少々暑さは残っていますが、京都の夕べの散策と食事をしていただければ幸いに存じます。

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